調査局エコノミスト ANDO Sakai
IMFを志望した動機
大学生の時に世界金融危機が起こり、名だたる大企業でさえ一社では太刀打ちできないマクロ経済の事象に対峙する組織としてIMFの名をニュースで耳にしました。それまで世界史の教科書の最後辺りに出てくる単語として理解していたIMFに、進路の選択肢として興味を持つようになったきっかけです。調べていく内に、政策の道具として経済学を実用できること、世界中のほぼ全ての国を網羅していること、専門性の高い職員に対して競争的な待遇を用意していること等、その魅力を知るようになり、充実したキャリアを歩める職場としてIMFを志すようになりました。
現在の業務、これまでの経験
四年目の現在までに、統計局、欧州局、調査局の三部局を経験してきました。統計局では国際収支課でデータベースの開発を担当し、経済学の博士課程で学ぶ機会がなかったマクロ経済統計について、理論から、実際に統計を作っている人がどのようなことを考えているかまで、体系的に勉強する機会を得ることができました。欧州局では、エストニアとラトビアを担当し、コロナ禍という歴史上稀に見る経済事象を通してデスクエコノミストのイロハを学ぶことができました。現在の調査局では、政府債務の分析や経済予測ツールの開発など複数のプロジェクトに従事しており、テニュアプレッシャーや外部資金に影響されない環境でのびのび研究を楽しんでいます。
中でもIMFならではの経験として面白いのが、実際に現地を訪れるミッションです。当局との議論に加え、様々な人にインタビューをすることで、データや経済理論からだけでは分からない物語を補完することができます。
学生の皆さんへのメッセージ
東西ドイツや南北朝鮮等の例が示すように、同じような環境や文化がであっても、政策が違うだけで人々の生活は大きく変わってしまいます。それだけ政策は重要であり、日々その奥深さを実感しています。そんな政策を通して、世界中の人々のより良い生活に貢献出来るのがIMFであり、座学で学んだ経済学を現実世界に直接応用できる数少ない職場だと思います。
IMFの採用は競争的ですが、JISP奨学金には三カ月間のインターンシップが含まれており、就活に向けてどのような準備をすれば良いか情報的に優位に立つことができます。IMFに興味がある方はぜひ検討してみてください。
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